木野花(きのはな)さんは、1948年青森県青森市生まれ。女優・演出家。
上京するときに、お母様から「トランクに入れてもって行きなさい」「こけしが、ケガや、悪いことの身代わりになってくれる、おまじないみたいなものだから」ともらったのです。こけしはいつも見えるところに置き、お母さまが見守っていてくれるような気持ちでいた。
3年で帰るつもりが、劇団を旗揚げし、5年が10年になり、気づけば40年。演劇を一生の仕事にする覚悟が決まり、老齢のお母さまを呼んで一緒に暮らすようになって10年になる。
青森が好きです。津軽の街から眺めた八甲田山や雪景色。こけしは、そんな津軽の風土や思い出とつながっているのです。
上京して43年。わたしのこけしは、これからも、私の演劇人生を見守ってくれる大切なお守りです。『私と津軽を結ぶお守り』より。