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Channel: こけしおばちゃん
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新山久治のこけし

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 『武井武雄のこけし』より。
 弥治郎系系こけし工人・新山久治(明治21年~昭和44年、享年82歳)のこけし。 
 「筆者は久治のこの一本に対して限りない愛着を覚え、著名工匠大野栄治をはじめとして他の弥治郎作者より一枚上に買いたいと思うのであります」と「こけし通信」に書いているように、武井が魅了され愛したこけしです。「黄を主色となし桃色を配して黒で引き締めた効果は特挙すべく、轆轤描彩でこれ程面白いものは他に類例が見出せない」と『日本郷土玩具』(1930)で書いています。大きな頭と安定感のある裾広がりの胴、そしてこのつんとした表情、本当に愛らしいこけしです。以上。
 ※ 新山久治工人は、父、久治郎につき木地を修業し、ほとんど他出せず、弥治郎に落ち着いてこけしをつくり続け、今日の新山家の隆盛の基礎を作った。久治のこけしの後継者には、新山久志、新山久城がいる。
 新山久志工人(大正4年~昭和59年、享年68歳)は、新山家に生まれ、こけしを作り続け、木地描彩抜群で、昭和23年弥治郎系こけし組合を結成。弥治郎の中心人物であり、各種会団を結成、若手工人育成に努めた。長男・久城工人(昭和17年生れ)は、若い時から、木地描彩ともに優秀で、型は17種もあり、どれも面白いよい出来栄えである。

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