鳴子のこけしは、洗練された都会のこけしの様に見えるが、あくまで山の木地業からはじまった山里のこけしである。岩蔵(大沼岩蔵・明治9年~昭和25年)しかり、松三郎(伊藤松三郎・明治27年~昭和51年)しかり、鳴子こけしは山の精霊なのだ。今も山懐でこけしを作り続けている工人がいることは嬉しいかぎりだ。「木」が形をかえて「乙女」になる場所としてこんな場所がふさわしいと思うのはロマンチックすぎるだろうか。以上、写真と文は「こけし時代」より。
ここは、遠藤孝志工人の木地小屋前風景。まさにこけしが生まれるのにふさわしい場所ですね。