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Channel: こけしおばちゃん
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「佐藤佳樹のこけし」

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 『こけし手帖』平成19年4月号 4月号 「例会ギャラリー」より。国府田恵一氏著。 
 先月突然亡くなられた佐藤佳樹さんの遺作展が津軽こけし館で開催されているのに合わせて、例会ギャラリーでも佳樹さんのこけし(幸兵衛型)を取り上げることにした。
 佳樹さんは佐藤善二さんの長男で昭和24年の生まれ。46年から木地修業を始めて、こけしは48年から作っている。但し、善二さん生前中は幸兵衛型は作っていない。善二さんが亡くなられたのは昭和60年で、それ以降、佳樹さんも幸兵衛型を作るようになった。
 手持ちの佳樹さんの幸兵衛型を眺めながら、これを四つに分けてみた。
 ⑴ 幸兵衛善二型
  昭和60年末から61年の始め頃に作った幸兵衛型で「幸兵衛善二型」と署名している。写真の右2本がそれで、善二さんのこけしを写したものである。もっとも、右端のこけしは幸兵衛のこけしを元に善二さんが作り出したもので、善二さんは「幸兵衛型」とは著名していない。いずれにせよ、佳樹さんの筆致は太く、幸兵衛型の初期作として力の入った立派なこけしに仕上がっている。
 ⑵ 善二幸兵衛写し 
  善二さんが量産した、眉が独特の後期の幸兵衛型を写したもの。写真の右から3、4本目は昭和61年末から62年頃の作で、初期作に劣らず若さが溢れた良い作品となっている。
 ⑶ 幸兵衛写し
  幸兵衛こけしの原品や写真によって作った写し。善二さんが作ったもの以外にも色々と挑戦している。写真左から2本目の胴下部に草模様が描かれたものは「こけし加々美」に掲載されているものの写しである。
 ⑷ 幸兵衛風佳樹型
  幸兵衛のこけしを元にしているが、そのまま映したものでなく、描彩等に佳樹さんなりの工夫が入っているこけし。写真左端のようなこけしで「幸兵衛型」の著明は無い。以上。

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