『こけし手帖』平成26年4月 639号より。
銀山温泉の初代木地屋、伊豆定雄は明治38年の生れ、大正から昭和13年まで鳴子系の形態に蔵王系のオカッパ頭の愛らしいこけしを作り、弟 護、その息子 徹に引き継がれている。
その伊豆定雄のエジコを入手した。(写真◆法D招臓高さ共に8cmの大きさで、胴はくり抜いて中にガラが入っており、また頭は南部系のキナキナのような抜け首で、振るとカタカタと軽やかな良い音がする。
縦長の頭に中剃りのあるザンバラの黒髪で、タレ目の大きな瞳が何とも愛らしい。胴上部の山は大きく盛り上がり一面を赤で塗っている。胴には旭菊を上下に3輪配し、間には緑で葉と水の流れを描いている。何とも玩具っぽい逸品である。。
さて、このエジコ、座りが悪いので何気なく廻してみると、実に良く回る(写真 法E蕁△り抜いた胴底に嵌めた蓋の中央部が膨らんで偶然このようになったと思っていたが、どうも意図的にそうしたように考えられ、銀山に徹さんを訪ねて見て貰った。結果、独楽としても回せるように作ったエジコだろうということになった。そこで、徹さんに同じようなエジコを復元して貰った(写真)。
銀山温泉のお土産の一つとして残して置きたい木地玩具である。以上『例会ギャラリー』より。
こけし友の会・国府田恵一氏著。