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Channel: こけしおばちゃん
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小松五平のこけし

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 好みの工人のこけしは自然に多く集まってくるもので、私のお場合は西山勝次、新山栄五郎、阿部常吉等と並んで外鳴子小松五平もその一人である。五平のこけしの多様で古風な胴模様と素朴で情味深い表情は、古鳴子の味わいを感じさせ、蒐集意欲を大いに刺激される。特に大正期の古作から昭和13年頃までの五平のこけしは秀逸と思う。大寸から小寸までそれぞれがそれぞれの良さを持ち、バラエティに富んで見飽きない。
 小松五平は明治24年の生れ、明治40年に鳴子の高橋万五郎に弟子入りするが、明治41年には鳴子を離れ、各地を遍歴、結局大湯温泉に落ち着く。比較的早い時期に鳴子を離れており、古い時代のこけしの味わいを伝えているのも頷けるところである。
 写真,禄藉慮淙燭海韻掘5寸3分、鈴木鼓堂氏の旧蔵品で「こけし這子の話」と同趣の作で大正期のこけしとされている。蕪頭に直胴のすっきりしたフォルムに、まったりとした表情と複雑な菊の模様である。
 写真△4寸、小さい頭に括れた胴のバランスが良い。太筆のラフな表情が面白い。水流れが残念なところ。正末昭初の作ではないだろうか。
 写真は6寸、米浪庄弌氏の旧蔵品である。胴模様は芥子か。こちらも古風な印象のこけしである。「こけし辞典」では大正後期の作例として採り上げられている。
 写真い1尺、大寸の作例である。旧蔵者は久松保夫氏。端正な表情、蕪頭で直胴、形も良く整っている。昭和初期の作か。
 写真イ蓮嵬攘岨卉盟僉彳閏蠅脳赦9年作と思われるこけし。6寸5分、痴娯の家の旧蔵品である。筆は細いが勢いがあり、いわゆるピーク期と言われている頃の作である。
 『こけし手帖』平成27年5月 652号『例会ギャラリー』こけし友の会々員・鈴木康郎氏著より。

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