鳴子系・森谷和夫こけし工人(昭和3年9月4日生まれ)は、昭和22年より高橋盛工人の下で木地修業を始め、長い期間に渡り高勘にて各種の木地製作を行い、昭和36年に独立を機に本格的にこけし製作を始める。
高勘(高橋勘治工人)型を継承する現役工人としては、柿澤是隆(平成28年死去)、眞里子・是伸工人一家・高橋義一工人・高橋輝行工人がいますが、盛工人の弟子は和男工人のみです。
盛工人の下で修業をし高勘の気風・作風を良く知る貴重な工人です。
一寸位の小寸から一尺を越える大寸の勘治型・本人型のこけし、茶入の器・菓子容器・楊枝入れ等の木地製品も卓越した木地技術と経験で年齢を感じさせない出来栄えです。
写真中央は、勘治型と左右の本人型で胴模様は重ね菊の二種類です。どのこけしも表情が穏やかで素朴な表情をし、上下の赤と緑のロクロ線と菊の胴模様と直胴のフォルムと相まって味わい深いこけしです。 現在は鳴子温泉に近い岩出山池月に自宅兼作業場を構え、盛工人直伝の高勘型を継承する長老工人です。今後もますます素晴らしいこけしの製作をお願いしたいですね。