「こけし手帖」という東京こけし友の会発行の小さな月刊誌がある。今月8月号で60周年になる。「友の会創立60周年特集」として発行された。
東京こけし友の会は昭和28年8月に創立、人間で言うと満60歳、還暦を迎えたのです。創立時、こけし蒐集・啓蒙する会員に、伝統こけしの系統をまとめ、伝承の大切さを教えてくださる先輩方がいたからこそ60年もの長い間続いてきたと思います。
私がこの本に出合ったのは、昭和55年頃だと思う。目からうろこではないけれど、単なるこけし大好きでは、恥ずかしいと思ったものです。東北各地の温泉地で生まれた11系統のこけしには、手も足もない、ただの木人形にも、それぞれの表情があり工人の喜怒哀楽が見え、実に奥深いのです。この記年号には私も拙い文を載せてもらっている。