東北地方では、鳴子のほか、いろいろの所にこけしを作る所があるが、こけし作りの人たちが集まって、こけし作りの研究をしたり、おまつりをするのは、鳴子町だけです。まつりには、東京からも、国立博物館の人や、工芸関係の人もきている。こけしにふさわしく、子どもを主にしたおまつりで、子どもたちが、各時代の衣服を着て歩く、仮装行列などは、楽しい見ものです。黒い山やまをバックに打ち上げられる、夜の花火大会もまた、東京の両国の川開きなどの川で見る花火とも、おもむきのちがった美しさでした。文と絵・谷内六郎(1921~1981)「こけし時代」より。
谷内先生は、子どもの好きな絵かきさんです。おかきになる絵には、楽しい夢や、きれいな思い出が美しくえがかれている。