$ 0 0 「湖面静まり石蔵こけし飛んだ」(大正元年小椋石蔵木地山下り北海道へ渡り) さて、散歩の好きだった石蔵こけしも、良い月の出た晩に、木地山から飛んでいってしまった。手に持った傘でふわり、ふわり。 渡った先は北海道。ここで山の娘は散歩をやめて、蒐集家のもとで他のこけしとしおらしく棚に収まったやに見えた。 しかし、さて、はて。 石蔵こけしは、より一層散歩好きのこけしになっていたようである。 今日も石蔵こけし、あなたの棚からお出かけ。 写真と文は「こけし時代・特集木地山」より。