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Channel: こけしおばちゃん
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「弥治郎初挽き」

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 『こけし手帖』平成25年3月 626号より。
 1月2日 東京は穏やかなよい天気、早朝に家を出る。お正月の中日なので町は静まりかえっている。東京発7時12分のやまびこ123号に乗車し白石蔵王へ。福島を過ぎると霙交じりの雪になる。9時7分定刻通り到着、日本の鉄道は本当に正確だなーと思う。 
 たまたまお客さんご一行を駅まで迎えに来られた平賀輝幸工人の車に一人空席があるとのことで、有り難く便乗させていただく。
 10時からこけし村の神社で神主によるお払いが始まる。続いて新山吉紀工人によるこけしの初挽きが行われた。あいにくの雪ではあったが厳粛な儀式で大変興味深く拝見させて頂く。
 お昼頃から近くの体育館で懇親会が行われた。50~60人程の参加があった。白石市の役員の方々、遠刈田を初め近郊から参加の工人の方々と祝辞が続く。新山真由美工人をはじめ工人の奥様方による民謡等を楽しく拝見。その後福引があって皆大喜び、私は新山左京工人の尺が当たる。
 吉紀工人真由美工人ご夫妻は、先月一週間ほどフランスのパリ、ルーブルでこけし製作の実演をされてきたとのことで、私も以前のフランスに多少関わりを持っていた関係でフランス談議に花が咲く。
 福島まで帰る人がいて、やはり空席があるとのことで厚かましくもまた便乗させて頂く。
 こけしの好きな人はなにか心の暖かい人が多い。ほのぼのとした気持ちで帰途につく。
 現場で購入した吉紀工人の尺五寸とまげの二尺を眺めながら原稿を書いております。以上。
 (こけし友の会・春日寛司氏著。)より。

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