「平賀謙次郎を偲んで」
『こけし手帖』平成24年6月号にて。こけし友の会・平塚俊夫氏著より。 平賀謙次郎工人の訃報が届いた。2月14日逝去。享年92歳でした。工房で輝幸、謙一工人と三人並んでロクロに向うお元気な姿が彷彿されます。 謙次郎さんとの出会いは30数年前、家族旅行で作並温泉を訪れ、家内がお土産として買い求めたこけしが謙次郎工人の作で我が家の第一号のこけしとなりました。爾来こけしとの関わりが始まりました。...
View Article「真鶴アートミュージアム」
『こけし手帖』平成24年6月 617号より。こけし友の会・吉田博人氏著。 3月中旬に、ミュージアムの館主より「ここに来れば『こけしが分かる』展」の企画展の案内状を頂いたので興味を持ち真鶴の散策方々、訪問してみました。 企画展は、女性をテーマにした絵画・彫刻と少女をモチーフにした「こけし」を取り合わせ、春から初夏にかけての華やかな雰囲気の展示会となっています。...
View Article「やみよこけし」
『こけし手帖』平成24年8月 620号「例会ギャラリー」より。 「やみよこけし」は輪に胴が入ったこけしを言う。 木地玩具の「やみよ」は「日本の木地玩具」文化出版局出版に掲載されている。 写真 ̄Δ郎監5版圭遏5寸、昭和34年作。写真〆犬郎監E郎作、5寸、昭和50年頃の作。...
View Article「ザ・訪問(蒐集家)!」
ザ・訪問!春日寛司さん。 我々こけし蒐集家にとって、他の蒐集家がどのようにコレクションを蒐集・保管しているかは気になるところである。最近、精力的にコレクションを充実させている会員の春日寛司さんのお宅を訪問し、コレクションを拝見させて頂いた。 都下日野市にある春日邸は自宅とご子息用の二棟があり、現在使われていないご子息棟もこけしの保管場所という恵まれた環境となっている。...
View Articleみちのくこけしまつり
『こけし手帖』平成24年12月 623号より。 山形市で10月27日(土)・28日(日)の両日開催されたみちのくこけしまつりは前日に審査会が行われ、伝統こけしの部および木地玩具の部へ昨年を上回る出品があった。 初日の開会式が始まる頃には前日から並んだ人を含めて百名以上のこけし愛好家の列が出来る盛況で事前に整理券が渡されたと聞いた。...
View Article井上四郎=初期作こけし=
一人の工人のこけしを集めだすと、多くを持ちたくなり、年代を揃えたく成ります。そして初期作を求める様に成ります。 井上四郎工人は私の好きな工人の一人で大好きなこけしです。井上一家も大好きです。写真の四本のこけしは私が収集し始めた昭和50年より以前の作です。それは昭和50年代以降新しい四郎こけしを入手すると、「井上四郎」と著名してありますが、この四本は「四郎」の署名です。...
View Article「続阿部常吉のこけし」
『こけし手帖』平成25年1月 624号「例会ギャラリー」より。 今回は例会前日に急遽代理を依頼されてギャラリーに登板ということになり「阿部常吉」のこけしを取り上げることにした。 阿部常吉のこけしについては平成19年4月のギャラアリーにも紹介しており今回は続編になる。 写真,蓮∧届仮頴〇瓩竜貘品で「こけしの美」のカラーページや「こけし辞典」にも掲載された現物である。...
View Article「山寺こけし塚供養祭」
『こけし手帖』平成25年1月号より。「第44回山寺こけし塚供養祭」 11月23日(祝日)に例年により遅く山寺こけし塚供養祭が芭蕉ゆかりの山寺に隣接する日枝だ神社境内にあるこけし塚の前で行われた。 山形駅を経由して仙山線山寺駅に着いた頃は、雨が降ったり止んだりを繰り返し何とも安定しない天候であったが、駅からは山寺の見事な景観と紅葉が望まれた。...
View Article「弥治郎初挽き」
『こけし手帖』平成25年3月 626号より。 1月2日 東京は穏やかなよい天気、早朝に家を出る。お正月の中日なので町は静まりかえっている。東京発7時12分のやまびこ123号に乗車し白石蔵王へ。福島を過ぎると霙交じりの雪になる。9時7分定刻通り到着、日本の鉄道は本当に正確だなーと思う。...
View Article佐久間俊雄工人の小寸こけし
『こけし手帖』平成25年4月 627号「例会ギャラリー」より。 佐久間俊雄工人に関する資料は乏しいが、反面小寸こけしに関しては素晴らしい物が多いが入手する機会は少ない。特に初期のこけしに遭遇する事は稀である。...
View Article〈ザ・訪問(工人)!〉 伊豆徹さん〈〉
『こけし手帖』平成25年5月 628号より 3月6日、団体ツアーの宿泊地が銀山温泉だったので、事前の連絡もなく伊豆工房を訪ねてみた。大正ロマン漂う温泉街の手前、温泉街からの雪道を歩くと20分ほどかかった。 道路脇の高い雪壁に囲まれた「伊豆こけし工房・工芸館」に着いてみるとシャッターが閉まっている。外から電話をすると伊豆徹さんが出られ、入口を開けて中に入れてくれた。水曜日は休みなのだそうだ。...
View Article「文吉の一側眼」
『こけし手帖』平成25年6月 629号「例会ギャラリー」より 佐藤文吉のこけしは何時もながら私の気持ちを焦がす。何本所有しても尽きることがない。先達の表現を借りるとその表情からアルカイックスマイル、きれいさび、そして強烈なエネルギーの発散等、見る者、所有する者の心を打つ。その要因は眼の描彩に拠る処が大きいと思われる。表現上大きな制約を受ける一側眼では如何なのかを取り上げてみたい。...
View Article「私の好きな戦後のこけし」展
こけし会としては最も会員数が多く、中心的に活躍されておる東京こけし友の会の皆さんの選んだ「私の好きな戦後のこけし」展にどんなこけしが出品されているかは、こけしに関する情報の少ない地方在住者として大いに興味を感じるところであった。展示されたこけしに関する内容については既に言及されている方がおられようから、ここでは単純に数学的に眺めた結果を述べたい。...
View Article華麗なる変身(希三こけし)
『こけし手帖』平成25年7月 630号「例会ギャラリー」より。 一人の工人のこけしを年代順に見ていくと、変化があまり無い工人と激しい工人がいるのが分かる。鳴子系で言えば、前者の代表が武蔵、後者の代表が希三だろうか。...
View Article「阿部平四郎さん」
『こけし手帖』平成25年5月 628号「阿部平四郎工人の死を悼む」特集より。 「平四郎さんと私」こけし友の会・小川一雄氏著より。 私が阿部平四郎さんと初めてお会いしたのは、昭和49年9月の友の会 秋の旅行会「稲川・木地山・及位・肘折の旅」に参加した際の自宅であった。旅行会の一行を気持ちよく迎えてくれたことを思いだす。...
View Article「天江富弥さんのこと」=私の思い出=
『こけし手帖』平成25年9月 632号「例会ギャラリー」より。 写真,蓮⊂赦52年5月に仙台丸善で、「こけし這子の話」の復刻本を入手し、その時”こけし無限こけし夢幻”と天江さんにサインをして頂く(写真 法この時は何も気にすることなく持ち帰る。あとで大変意味深な言葉であることに気がつかされる...。...
View Article「第33回みちのくこけしまつり」審査会に参加して・・・
『こけし手帖』平成25年12月 635号より。 10月4日(金)山形駅に降り立つのは何年ぶりのことか、すっかり昔と変わった駅と町波に時の流れを感じながらシャトルバスに乗り七日町へ。懐かしさから少し町をぶらぶらして審査会場に入りました。 初めての審査員の私は緊張気味でしたが顔見知りの人がいてほっとしました。...
View Article