Quantcast
Channel: こけしおばちゃん
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1909

佐久間俊雄工人の小寸こけし

$
0
0

 『こけし手帖』平成25年4月 627号「例会ギャラリー」より。
 佐久間俊雄工人に関する資料は乏しいが、反面小寸こけしに関しては素晴らしい物が多いが入手する機会は少ない。特に初期のこけしに遭遇する事は稀である。
 俊雄工人は土湯系湊屋系列の浅之助・由吉・芳衛・芳雄と続く直系の最後の工人です。湊屋系列には芳雄工人の弟子で渡部和夫(故人)、和夫工人の弟子として野地忠男(故人)、岩附義正。太田精二工人および野地忠男工人の弟子で今年の新年例会で招待工人として来られた野地三起子工人がいる。
 俊雄工人は芳雄工人の下で昭和51年11月より本格的に修行を行い、7年間に渡りこけしを製作しているがあ、昭和55年のほぼ一年間と昭和56年8月から昭和58年3月までは病気のため製作が出来なかったと云われている。また木地材料が乏しかっ為に大きいこけしを製作できず、小寸こけしの製作が多いと云われる。平成14年3月に56歳の若さで亡くなった。
 写真は、右から笠・地蔵型(2寸2分)、昭和52年作、笠・赤と黒と返しロクロ線(2寸9分)、鉄兜・赤と緑のロクロに花模様・地蔵型(3寸2分)、シルクハット・赤と緑のロクロ線・三角胴(3寸4分)、昭和56年1月作・赤と黒の返しロクロ線・三角胴で病気の為か表情が非常に強い(4寸7分)、赤・黒・緑のロクロ線と花模様(3寸1分)、赤・緑ロクロ線直胴(2寸7分)、赤・黒。緑のロクロ線直胴(2寸6分)、左は赤・黒の返しロクロ線三角胴(1寸5分)である。どれも素晴らしい木地の仕上がりと描彩である。
 1寸5分の豆こけしにも返しロクロ技術が使われている事に驚きを憶える。
 俊雄工人の小寸こけしは全神経を集中させて一心に作り上げた本当の【木の宝石】と言えるのではないでしょうか。フォルムと描彩の素晴らしさに加えてセンスの良さが光る最高のこけしである。
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1909

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>