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Channel: こけしおばちゃん
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「佐久間俊雄のこけし」

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 『こけし手帖』平成27年1月 648号「例会ギャラリー」こけし友の会・田宮順一氏より。
 昨今、第三次こけしブームなどと謳われているが、戦前の第一次、高度経済成長期の第二次とは趣が違う。
 若い女性を中心に、各々がこけしに付加価値を見いだし、こけし界に旋風を巻き起こしている。こけし戦国時代の幕開けである。
 「同じカテゴリのものが沢山並んでいるフェチ」である私は、こけしが沢山並んでいる様、空間に何とも言えぬ暖かさ、癒しを感じました。
 大量生産、大量消費時代に生まれた私は、プラスチック素材の玩具に囲まれて育ちました。そこで蒐集していたものが、…………といったカナカナ洋顔と胴だけのシンプルなプラスチック製の人形でした。初めてこけしに出会った時に、姿形は勿論ですが、木製の玩具にありもしない田舎への郷愁を覚えました。そしてこけしの蒐集への深みへと嵌って行ったのです。
「佐久間俊雄」は、浅之助・由吉・芳雄・俊雄と続いた土湯の湊屋直系の工人です。こけし制作期間は短いのですが、年代毎に表情の特徴を追っていきます。
 写真,蓮⊂赦52年・びんが最も長い、ガラス眼。
 写真△蓮⊂赦54年(ピーク期)・びんが短く、つぶし目等表情豊かに。
 写真は、昭和55年・びんがまた長くなり、目・眉が吊上がってくる。
 写真い蓮⊂赦56年・びんの下方が開き、目・眉共に最も吊り上がる。
 写真イ蓮⊂赦57年・びんが真直ぐに戻り、目大きく開く。
 「俺の体には赤まんまがある。」と由吉は言った。土湯の正統な流れを汲む聖痕と云われる赤いあざ。その赤いあざが私にもある。俊雄と私を結びつけた呪力であろうか。以上。 
 こけし友の会・田宮順一氏著。

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