南部系・松田弘次こけし工人(昭和13年生まれ)は、昭和32年より松田精一工人および安保一郎工人の下で木地修行を始め、昭和45年からこけし製作を行う。
松田弘次工人は木地挽き松田家の六代目に当り南部系の無彩キナキナ(キナキナ坊)を製作する。
キナキナは幼児の玩具であったと言われており、父で師匠の精一工人は「幼児の握れる太さが本来のキナキナだ。」と言われ、松田家のキナキナは胴の下が細く絞られている。
最近のこけしコンクールでは平成24年の第54回全日本こけしコンクールで入賞している。東京こけし友の会では七代目の息子、松田晋工人のおみやげこけしで出席者にお渡ししたのでお持ちの方は是非見比べて見てほしいものです。
写真のこけしは、松田家を代表する胴下細く絞られ、木の年輪の一部が僅かに浮き出る大変美しいフォルムの無彩キナキナです。底にはキナキナ坊と書かれています。
松田家系のキナキナは首が振れ無いタイプです。
※ 南部系こけしを製作する工人は減少傾向にある中で伝統を継承し美しいこけしを絶やす事無く継続して頂きたいと思います。