木地山系こけし工人(明治31年~昭和49年)。作者の大部分が可愛い人形を作るという建前から、性を超越した美を発揮しているのに引き換え、これはどこまでも女性の美を描こうとして、色気タップリなオバコをものしている・・・・現出されたものが香やかな性である。肉感を描彩したこけしとした、恐らくこの右に出るものはないであろう。(木形子異報)より。
兵治郎作る縞模様の振袖こけしの麗しさ。写実的に描かれた小鼻に黒塗りの唇、その表情は夢二の美人画を思わせる。女性の美を端的に表した振袖こけしは川連漆器の雅にも通じる。
その技は、弟子の阿部平四郎工人、高橋雄司工人に受け継がれた。写真は、兵治郎こけしと、高橋雄司こけしです。「こけし時代」参照。