写真は、頭頂のろくろ模様と、手描きの模様です。
頭頂のろくろ模様は、弥治郎系と土湯系の華麗なろくろ模様。土湯系の大部分は黒蛇の目であるが、中には青や紫のも希にある。輪の数は少なく、一寸見ると独楽のようにみえる。
手描き模様は、遠刈田・蔵王高湯・肘折・作並・鳴子・木地山各系のもの。黒頭おかっぱは頭頂に青皿(中剃り)がある。
かせ各種は、土湯系こけしの頭のこめかみに描かれる「かせ」は工人によって違う。それは伝統という束縛の中での各工人の個性の主張であり、ろくろ模様からの開放と、大ぴらに許された手描きの唯一の部分であった。
胴の裏模様は、遠刈田系こけしの大寸物の胴の裏には、よくアヤメ模様が描かれる。菊もあって、石蔵のように情味深いものもある。春二の蝶なども傑作であった。くらわんか茶碗や徳利の裏模様と同様、人に見せない方の裏模様に反って滋味深いものがある。
※ 頭頂や、胴の裏模様、こけしの底はあまり見ることはないが、発見した時は感動しますね。