キナキナこけしに描彩を施した首がクラクラするこけし。仏さまのようなほほえみです。青幻舎「こけし」より。
南部系こけし工人・佐藤忠雄(昭和14年生まれ)作のクラクラこけしです。
佐藤忠雄工人は、父、佐藤英吉工人の三男。中学校卒業後、父の弟子になり、昭和47年より父の遠刈田系と照井音冶型を継いで発表。木地描彩とも優秀で、近年、父英吉の継承者として充分の力量となった。
父・佐藤英吉工人(明治39~平成10年)は、山形県及位で生まれ大正8年同地にいた佐藤文六に師事、昭和2年花巻へ、その後函館、登別へ転じ、13年再び花巻に戻り、南部商会照井音冶のもとに帰る。昭和34年9月独立、遠刈田系とともに照井音冶型のこけしをつくり、大好評を受ける。木地描彩と共に抜群だったという。
照井音冶工人(明治18~昭和14年)は、青根の小原直治の弟子で、れっきとした遠刈田系の工人であるが、花巻のキナキナこけしを取り入れ、独自の様式を創出した。