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Channel: こけしおばちゃん
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岡崎栄作のこけし

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 『武井武雄のこけし』より。
 蔵王高湯系こけし工人・岡崎栄作(明治19年~昭和25年、享年65歳)のこけし。
 雪深い奥山育ちのこけし。「奥山育ちに似合わず、まるで大宮人の様に繊細優美で、一種都ぶりな顔立ちの上品さではおそらくこけし界随一かと思われる程です」(「こけし通信」)。右のこけしは「桜崩し」、左のこけしは「重ね菊」______能登屋独特の胴模様とも言えるものです。淡い甘さと凛とした緊張感を持ったこけしたちです。
 ※ 岡崎栄作工人は、叔父、栄治郎に学び、こけし、茶道具などの土産物を挽いた。木地業が衰え始めてからも、農業のかたわら、注文によりこけしを作った。性格は温和・勤勉で、几帳面。栄作を訪れた収集家は、その実直な応対振りに皆感銘を受けた。昭和14、15年の作は、重量感に富み、艶麗な作風の完成度の高いこけしである。オカッパ・手絡の二種があり、胴には桜崩し、あるいは重ね菊がある。製作数も多い。
 昭和19年、次男、嘉一がニューギニアで戦死、長男、嘉平治がビルマ戦線から病を得て帰国したまま病死してから急に気力が衰え蔵王高湯にて没した。

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