こけしには中心的産地(本場)があって、その地の木地師集団の系統より今日十系統に分かれているが、それら対等の重みがあるわけでなく、亜流(亜系)といった式のものもある。その多くは中心的発生地(本場)の名をとっている。社会思想社発行『こけし美と系譜』より。
A 巻絵グループ
㈠ 土湯系(土湯・福島・飯坂・川俣・嶽・中の沢・日野)[原の町・浪 江]
㈡ 弥治郎系(弥治郎・鎌先・白石・小原・仙台・熱塩・熱海・原の町・ 白布高湯・小野川・米沢・花巻・高崎・北海道川湯・弟子屈)[平・ 飯坂・横川・下の原・丸森・新鹿沢]
B 菊グループ
㈢ 遠刈田系(遠刈田新地・青根・秋保・仙台・稲子・白石・北海道登 別)[中の沢・福島・米沢]
㈣ 蔵王高湯系(三の亜系)(蔵王高湯・上の山・釈迦堂・小野川・双 月・鶴岡・山寺)[札幌]
㈤ 作並系(作並・山形・仙台・谷地・天童・寒河江・米沢)[秋保]
㈥ 肘折系(三と七の混血系)(肘折・及位・湯田・仙台)[酒田・和 賀]
㈦ 鳴子系(鳴子・潮見・仙台・銀山・温海・大湯・本庄・休屋・花巻) [中山平・秋田・滝の原・子安・東根・一の関・滑津・洞爺湖]
㈧ 木地山系(木地山・川連・湯沢)〈小樽・札幌〉
C 坊主グループ
㈨ 南部系(花巻・盛岡・横川目・遠野)[水沢・鉛・五郎城・久保・角 館・宮古]
㈩ 津軽系(温湯・大鰐・大畑)[弘前]
※ []は廃絶地。大体㈠より㈩へ順次南より北に分布する。㈠~㈤はろくろの位置が縦挽き。㈦~㈩は同じく横挽き、㈥は混用である。 以上。