『こけし 美と系譜』より。
「京都・紫野の大徳寺高桐院の松向軒は細川三斎消息の軸をかけ、花釘の竹花入(大心和尚作)に大山蓮の白花をいけた中に置く一本のこけしといえば、やはり胞吉(えなきち)こけしにしぼられてしまう。茶をたて静思の時をすごす相手は寂然の胞吉こけしでこそ、恰好がつくのであった。こけしは一本に始まり一本に終るのであろうか。」以上。写真の胞吉こけしは17僂里海韻靴任后
※ 高橋胞吉工人は文久元年、仙台に生まれる。美しいこけしの「胞吉こけし」で有名で当時の仙台こけしやは真っ赤で染まったという。現在では、高橋胞吉こけしの研究家として、胞吉型の工人として知られる鈴木清工人の長男・鈴木昭二工人(昭和2年~平成27年)、昭二の長男・鈴木明工人(昭和35年生まれ)が今も、胞吉型の伝統を守って、美しいこけしを作っている。明工人は、胞吉型工人として優秀作を作りつづけ、全日本こけしコンクールで総理大臣賞を受けた。