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Channel: こけしおばちゃん
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洗練された横山政五郎こけし

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 『こけし手帖』昭和17年12月発行 539号より。
 明治27年肘折温泉に生まれる。14歳の時、佐藤周助工人につき4年間木地を学び、その後1年の礼奉公と自宅での1年間のロクロ作業を行う。その後はロクロを殆ど踏まず、長い空白期を経て戦後に限られたこけしを作成し、昭和26年より農業の副業に農閑期にこけしを作り復活する。  
 写真のこけし(尺二寸)は昭和30年代前半と思われる。特徴は前髪が✕にクロスしていなく半円に近い、頭頂の前髪に近い赤い点に放射線が接続されていない、また額の飾り点は少ない。直胴の上部に鉋溝、上部と下部に赤と紫と黄(退色して殆ど分からない)のロクロ線。その間重ね菊が描彩されている。表情は肘折の強烈さは無いが洗練されている。
 写真△留βΑ8寸3分)は7月の例会入札で入手した。前髪が✕にクロスし、胴の上下に2本の太い赤線が入り、額の飾り点は数が多い。
 2番目(6寸3分)は昨年の例会入札で入手した。右側のこけしと製作時期(昭和34年以降と思われる)が同時期と思われる特徴が良く似ている。 
 左側のこけし(6寸)は5月の例会で頒布した齋藤右内工人の政五郎型で昭和25年頃植木氏蔵の写しです。前髪が✕にクロスしていなく、頭頂の前髪に近い赤い点に放射線が接続されている。
 政五郎こけしに強い関心を抱いている。周助の弟子でありながら肘折の強烈さと凝視度が無く、整った表情と洗練さを持っている不思議なこけしである。以上「例会ギャラリー」田中厚司氏著。

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