山本与右衛門と鈴木豊
昨年、鈴木豊さんより友の会退会の通知があり残念に思い、あらためて揃えて眺めて見た。昨年末に師匠の山本与右衛門のこけしの中古品があるのを知り、正月早々入手した。 写真は、山本与右衛門作5.6寸、昭和15年作。写真△蓮右、鈴木豊作5.8寸、昭和40年代作?。左が鈴木豊作6寸、昭和53年作。...
View Article「周辺のこけし達」
名和好子さんのこけしコレクションは(美しきこけしー名和好子コレクション図譜)として、昭和63年9月にグラフィック社から刊行されたが、別冊に「伝統こけし工人系譜・産地別工人名簿・文献目録」が付けられていた。この別冊はかつて名古屋こけし会、金沢こけし会で活躍された清水寛氏によるもので、〈図譜〉の編者 箕輪新一氏の強いすすめにより、陽の目を見たのである。...
View Article福寿の勘治型古作
『こけし手帖』平成17年6月号 533号「例会ギャラリー」より。 昨年6月インターネットのオークションで写真左側のこけしを入手した。顔の描彩や胴模様から勘治型のこけしらしく思われたが、胴底の署名は「鳴子 高橋福寿作」で、福寿さんの独身時代(昭和32年以前)の作と分った。...
View Article平賀謙次郎のこけし
『こけし手帖』平成17年7月号 534号「例会ギャラリー」より。 戦前からの工人は本当に少なくなってしまった。今回は平賀謙次郎のこけしを時系列に迫ってみたいと思う。...
View Article慈しむ小寸こけし
『こけし手帖』平成17年8月 535号 「例会ギャラリー」より。 愛らしい小寸こけしは、私にとって心を和ませ癒してくれています。 私はいつもは主に定寸こけしを収集しているのですが、素朴なこけしの原形のような小寸こけしにも魅かれるものがあり、入手できる機会には自然に収集に熱が入りました。...
View Article「こけしとの再会」
『こけし手帖』平成17年8月号 535号より 最近は、面白いことが続き、気分を良くしている矢先に、36年前に所有していたこけしに、会えたのである。だいぶ前にも、高橋盛さんに会えたのであるが、今回は、伊藤松三郎さんがいたのである。...
View Article作田栄利のこけし
工人の多い産地でありながら、今一つ人気が出なく、しかも松之進の外弟子の為か、数多く製作したわりには忘れられ、騒がれない工人。しかも鎌田文市の遠刈田での師匠で吉郎平系統の大らかな古風的描彩を、受け継いでいる。サラブレッドではないが、底力を持った野生馬的なセンスを持つ工人の一人である。作田栄利を取り上げてみたい。...
View Article斉藤弘道と佐藤正一のこけし
『こけし手帖』平成17年10月 537号 小川一雄氏著より 私が斉藤弘道を知ったのは、昭和42年のことである。(美と系譜)に斉藤太治郎と弘道が3本ずつ載っており、中屋蔵の太治郎に次いで、弘道の3本に好感が持てた。解説には『太治郎は一代限りの名工と思っていたが孫の弘道が祖父に負けぬ張りのあるのを続々と出したのは驚嘆に値する。』とあり、この3本いずれもが33年の作であった。...
View Article『全日本こけしコンクール』
「第59回全日本こけしコンクール」-ほほえみの年輪をかさねてーの案内状が届いた。毎年届けてくれて感謝しています。 会場 宮城県白石市のホワイトキューブにて、5月3日~5日ま開催、白石市の一大イベントなのです。...
View Article洗練された横山政五郎こけし
『こけし手帖』昭和17年12月発行 539号より。 明治27年肘折温泉に生まれる。14歳の時、佐藤周助工人につき4年間木地を学び、その後1年の礼奉公と自宅での1年間のロクロ作業を行う。その後はロクロを殆ど踏まず、長い空白期を経て戦後に限られたこけしを作成し、昭和26年より農業の副業に農閑期にこけしを作り復活する。...
View Article大野栄治のこけし
『こけし手帖』平成18年1月号 540号より 大野栄治工人のこけしは嘗て入手困難なこけしの一つとして又、高価な物としてコレクターの心を焦がしていた。最近になり、当会の入札やネットオークションでも、しばしば見かけられる様になった。私も入手を心掛け、手元にも30年代前後の物が少々集まった。...
View Article続・佐藤キクのこけし
『こけし手帖』平成18年5月号 544号より キクさんがこけしを作り始めたのは本人の話では昭和45年であるが「周助三代のしおり」では昭和48年とされている。本格的に市販されたのがこの48年頃であろう。こけし手帖476号の「佐藤キクのこけし」では昭和51年、52年を掲載しているが、今回それ以前の48年前後の「きく」こけしを紹介する。 写真右から,8寸頭嵌め込み、白胴ロクロ線なし...
View Article陳野原和紀の初期粂松型
『こけし手帖』平成18年5月、544号より 土湯系湊屋の佐久間粂松のこけしは何人かの工人により復元されているが最も力を入れたのは陳野原和紀であろう。和紀は昭和4年の生まれ、42年3月より翌年5月まで斉藤弘道について木地修業後、独立開業した。 43年5月に鹿間時夫氏の勧めで粂松のこけしを復元し、以来粂松型と本人型を製作するようになった。...
View Article「保存の良いこけし」
こけしの保存について土橋慶三氏は(事典)(伝統こけしポケットガイド)に知っておくべきこととして、二つをあげている。それは、こけしの材料である木地の性質を知ること、こけしの顔や胴摸様を描くために使っている染料の性質を知っておくこと、と書いている。...
View Article「渡辺和夫の小寸こけし」
『こけ仕手帖』544号より 昭和50年代の渡辺和夫こけしのほとんどは、古くからの収集家や業者が競って和夫のところに古品を持ち込み、これに応えた復元ものといってよい。古作の味をつかむのに長けていた和男は、またたく間に人気者になったのである。...
View Article小林吉太郎のこけし
『こけし手帖』平成18年7月 546号〈例会ギャラリー〉鈴木康郎氏著より。 例会の楽しみの一つに古品の入札がある。出品者の好意、幹事の皆さんの努力に大変感謝し、今後も続けられることを期待している。今回は例会の入札で手に入れたこけしを中心に山形系の代表的工人の一人である吉太郎のこけしを紹介したい。...
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