平成27年3月11日小林清次郎さんの訃報を聞き残念に思っている。
山形系こけし工人 小林清次郎、文字どおり小林家を、更に言えば山形こけし界を代表する工人で、誰にでも歯に衣着せぬ山形弁でズバリと思う事に直言する人であった。
私なども「東京こけし友の会」会長在任中は、特に会への批判を浴びせられたものであった。もとより私も議論が好きな方であったので、必ず言い返し、決着がつかない事も多かった。
私としても、良い相手を失って淋しい思いをしている。
清次郎は注文を受けて各種の小林家のこけしを復元しているが、作るこけしは吉太郎によく似ており吉太郎型が主体であったと思う。形は吉太郎型であるがその筆致は清次郎独自のもので、幸い息子や弟子の後継者に恵まれているが、後世に伝え残したいものである。写真は代表的なこけしです。
清次郎さんのご冥福をお祈りいたします。以上。前こけし友の会々長・柴田長吉郎著より。
※ 小林清次郎(大正7年~平成27年)享年98歳。山形系こけし第一人者。故吉三郎の次男で、主として伯父吉太郎の型を研究し、数多くの型をつくっているが、いずれも成功している。山形系に中では再興の人気の作者である。