「樋渡治一のこけし」
『こけし手帖』平成21年1月号 576号「例会ギャラリー」より。 樋渡治一のこけしは鹿間時夫著「こけしの鑑賞」に掲載されているがこれ以上の解説文は他にはない。治一は明治39年生、大正8年高橋兵治郎につき木地を修業する。昭和7年治一名義で弟樋渡連治描彩のこけしを少量作り、その後漆器の蒔絵師の樋渡辰治郎に描彩を依頼して13年頃まで作った。...
View Articleもう一本の大正期 盛こけし
鳴子系利右衛門系列(高勘)の工人が作るこけしに「大正型」がある。この大正型は西田記念館に所蔵されている大正期の高橋盛こけしを「原」として昭和43年秋に遊佐福寿さんが復元したものである。...
View Article戦後復興期のこけし
『こけし手帖』平成21年6月 581号「例会ギャラリー」より。 戦争が激しくなって萎んだこけしブームの立ち直りは、緩やかなものであった。戦前から収集家が、一部の工人に接触しはじめたことにより、以前から作っていたいわゆる伝統こけしの製作をぽつぽつ開始したのであった。...
View Article「佐藤今朝吉のこけし」
『こけし手帖』平成21年7月号 582号「例会ギャラリー」より。 昭和5年3月1日、下駄職人惣太郎次男として生まれる。吉郎平系列松之進家である高橋広平につき昭和28年6月より木地修業を始める。こけしの方は、昭和35年3月より、佐藤富雄の手ほどきにより習ったためか、文助型に近く、胴模様は文助様式である。 昭和48年ころより林平広平系統の模様になりそのまま定着する。...
View Article「小寸こけしの楽しみ」
『こけし手帖』平成21年8月号 583号「例会ギャラリー」より。 小寸こけしの明確な寸法定義は無いと思われるが、立子(鳴子系)が3寸から3寸5分、こけず(遠刈田系)4寸、キナキナ(南部系)が3寸から3寸5分、友の会のおみやげこけしが3寸5分と4寸との慣例から4寸位以下のこけしを小寸と呼ぶことにします。小寸こけしの中でも袖珍こけし(1寸6分位)、豆こけし(2寸程以下)と呼ばれる事もあります。...
View Article「加納伝三郎のこけし」
『こけし手帖』平成21年9月号 584号「例会ギャラリー」より。 毎回の事ながらテーマの選定に迷う。今回は手持ちのこけしの中から今まで取り上げられることの少ない伝三郎の作品をテーマとした。同工人は明治31年士族・工業学校の技術教師の長男として生を受ける。28歳で結婚、仙台の佐藤賢治に就き木地修業を行う。師事の詳細は不明だが大正6年以前と思われる。...
View Article「新山吉紀・真由美・新山福太郎型こけし」
『こけし手帖』平成21年11月号 586号「例会ギャラリー」より。 こけし手帖、平成13年9月号に新山福太郎と系列こけしを書いた。あれから8年、弥治郎系こけしの中心地で新山吉紀さん、真由美さんご夫妻は弥治郎こけしの研究に力を入れて活動している。私は真由美さんの平成12年頃から作り始めた福太郎型に興味を持っていた。...
View Article「津軽の古型 ロクロ模様」
『こけし手帖』平成21年12月号「例会ギャラリー」より。 こけし蒐集の楽しみ方の一つとして、何人かの工人の同一の型のこけしを集めるという方法がある。...
View Article「小椋泰一郎のこけし」
『こけし手帖』平成22年1月号「例会ギャラリー」より。 今回は木地山系の小椋泰一郎のこけしを紹介したい。「こけしのふるさと」に郷土史家の伊藤雅義氏が発表しておられるところによれば泰一郎は米吉と並んで木地山系こけしの祖、明治35年頃のことらしい。...
View Article「手許で楽しむこけし達」
『こけし手帖』平成22年2月「例会ギャラリー」より。 何故ギャラリーに墨こけしを取り上げることになったか、話してみたいと思う。 私はこけしを集めだした頃(土産からスタートしている)手許において対話の話し相手として見ており今も同じである。最近は家庭平和の為と出しておくと退色の問題にさらされる故、箱にしまうようにしているが、対話の回数が減りさびしい限りです。...
View Article「伝統的工芸品展 2010」
平成22年1月27日(水)~2月1日(月)日本橋高島屋8階催し会場で行われた。会場は経済産業大臣の指定を受けた全国から170余りの伝統工芸品が一堂に会し、伝統の技を披露していた。 宮城県からこけしで出品の遠刈田系工人佐藤一夫さんと同時開催のふるさと工芸品展に出品の秋田県の木地山系工人三春文雄さんのご両人から案内葉書をいただき、1月31日会場にお伺いした。...
View Article「渡辺求工人こけし」
「凡作程度と評された渡辺求のこけし」田中厚司氏著より。 10年程前にふらりと寄った古道具屋で目にした時は暫く見続けていて手に取ることが出来なかった記憶があります。そのこけしが写真右(1尺7分)です。写真左(1尺5分)は昨年の友の会例会の中古こけし販売で最後まで売れずに残ったこけしです。なんで人気がないのか不思議です。...
View Article「岩本芳蔵の本人型」
『こけし手帖』平成22年7月号 594号「例会ギャラリー」より。 岩本芳蔵は昭和31年友の会の小野洸氏の計らいで父親岩本善吉のこけしを作るようになる。こけしブームに乗り、こけし蒐集家の間で芳蔵の善吉型が高い評価を得て各種の型を残した。お弟子さんもたくさん育て中ノ沢温泉の「たこ坊主」こけしとして定着し、今日多くのお弟子さんにより作られている。...
View Article「大沼力の一般型と誓型」
『こけし手帖』22年9月号 596号「例会ギャラリー」より。 私がこけしに興味を抱いた理由の一つに愛らしさと対話して気持ちを癒される自分を見つけたことによる。それはストレスと向き合う生活(団塊の世代の為か学校、塾での進学にかなりのストレスを抱えていたからだと思える)に疲れを感じた時に、こけしとの出会いであり、入会して更にこけしとの対話を求めたからだった。...
View Article「技への挑戦」佐久間芳雄の入れ子傘こけし
『こけし手帖』平成22年12月号・599号「例会ギャラリー」より。 当会会員の軸原ヨウスケ氏企画による「kokesi book」の発刊来、オールドファンから若者へ間口が広がり、鳴子やこけしを扱う店そして当例会にも若い方が多く集うようになった。又、若手工人の活躍が目立ち、本当にうれしい限りであります。...
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